仕事とは、なにか
はじめまして。樹木医の宮田です。
はやまりました、まだ新人樹木医です。現在は庭師としての活動が主です。
樹木医とは木のお医者さんのことです。聞きなれない方も多いことでしょう。
樹木医というのは木を元気にするお仕事なわけですが、単になんでもかんでも木を元気にすればいいというものではありません。
以前、会社の先輩に「樹木医を目指しているのなら、会社にある古くて傷んだヤマモモを元気にしてみなさい。」といわれて非常に不快に思ったのを覚えています。
そのヤマモモは会社の敷地に端っこで、しかも道路際に植えられていて根を十分に張ることができないことは明らかでした。そうでなくても古くなったヤマモモは単純に傷みやすい。
いまどきヤマモモをほしがるお客さんなんていないし、傷んでいるので商品価値はほとんどない。さらに元気を取り戻されれば道路にはみ出て迷惑になります。
掘り上げて広い土地に移してやることが一番の方法かもしれませんが…土地もいるし多大な労力がかかります。この場合どう考えても、撤去してきれいな苗木を植えたほうが会社のためにはいいのです。
何の役に立つかわからない練習なんてしている暇はありません。
大学の基礎研究とか、特殊な場合もあるんでしょうが・・・
私は
誰かが求めることを実現させること。
仕事というのはそういうことだと考えています。
だれかのためなら課題が山積しても労力がかかっても乗り越えられるというもの。
あなたの笑顔が見たいから、私は樹木医として関わります。
私の師事する先生曰く「私は木を通して、人を相手にしている」と。
思い入れのある木を後世に残したい、そんな望みを実現させるべく手助けをしていく。つまり人の願いを叶えることが私たちの仕事の本質だと考えています。
とはいっても樹木への関心が薄れつつある昨今、まずは木に関心を持ってもらうにはどうすればいいか…それが喫緊の課題であると感じられます。
次回は剪定のお話でもいたしましょう。
それではまた。