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庭木に剪定が必要な理由


香川県の栗林公園の秋のライトアップの写真です。

月を背景に公園のメインの黒松。

この枝配りと、枝先のほぐれ具合…この手入れの手間のかけ方!!大興奮ですね。

取り乱しましてすみません。

秋から年末にかけては剪定の忙しい時期です。

お正月に向けてお庭をきれいにしてほしいということで

庭師はこの時期は休みなしで剪定作業に追われます。

今回は剪定の話をします。ざっくりと。

この時期の庭木の剪定の目的は大きく3つ挙げられます

1.成長を抑制する

単純に高い部分を切って樹木の背丈を調節します。

加えて木にとっての葉っぱは養分の製造工場ですので、葉を減らすことで成長を抑制できます。

2.美しくする

刈り込んだり伸びた徒長枝や絡んでいる枝をはずし、すっきりと整った見た目に仕上げます。

3.健康状態を維持する

枝葉を間引くことで日当たり、風通しを良くし、病害虫が発生しづらい状況を作ります

私が仕事をするうえでけっこう重要視されるのは、1番(成長の抑制)です。

限られたスペースしか使えないという日本の住宅事情がそうさせるのです。

「木が鬱陶しくて困る」と言われたりしてなんとなくさびしい気持ちになりますが。

2番(美観)「に関しては「透かし」や「散らし」、「刈込」「棚わけ」などなど…いろんな方法で木を美しく見せます。

そのうち各種技法についてアップしていきたいと思います。

私が最も気にかけるのは3番(健康)です。

さて、山の木は人の手が加わらなくても丈夫できれいなのに、

なぜ庭木は健康状態を保つための剪定を必要とするのか。

勝手に生えてきた木はお世話をしなくても逞しく育ちます。

発芽した時点で自然の競争を勝ち抜いてきた猛者ですから。

気候に合った樹種が、自分に合った枝の伸ばし方をします。

しかし、庭木はほとんどの場合は人が植えたものです。

その場所が本当にその木に適しているのでしょうか。

形も作りこんであったりします。

本来その形になりたかったのでしょうか。

つまり「庭木」は、人が植えて育てたために、自然に生えてきた木とはまったく違うお付き合いをしていくことが必要になります。

それが、剪定をはじめとした各種お手入れなのです。

「人が一度手を加えたものは最後まで面倒を見る」それが樹木医の先生方でよくかわされるキーワードです。

だからあなたの周りの人の植えた木は人を必要としていて、そして手をかけただけ答えてくれます。どうか愛情を持って接してあげてくださいね。

まずは見てあげること。それが植物と上手につきあう入口にして最大の秘訣です。

今回はこのへんで。

次回は虫の話でもいたしましましょうか。

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