キノシアワセ
ずいぶん前に、NHKのプロフェッショナルというテレビで樹木医さんのことをやっていました。
感想として
苦しそうでした。樹木医さんが。
タイトルからして違和感を覚えました。
「桜よ永遠に咲き誇れ」みたいな題名だったと思います。
青森県の弘前公園で、樹木医さんが
桜の古木にきれいに花を咲かせるという内容。
古木が健やかに生きている
ことと
古木がたくさん花を咲かせている
ことは違います。
樹が健やかでいられるように手入する
ことと
樹がたくさん花を咲かせるように手入する
ことは違います。
来園者は「お花がたくさん咲いてほしい」という
しかし
弘前公園の桜の木たちは明らかに年老いている
樹木医さんは見事に花を咲かせるわけですが
記者の
「春が待ち遠しいですか?」
という質問に対して
「春は苦しみが多い」
と答えています。
私はそうだろうなと思った。
苦しいだろうなと。
一面に、たくさんの花を咲かすことが桜の本望か。
永遠に咲くことが桜の本望か。
樹のことを深く考えている方ですので、疑問を持たないはずない。
そして
「毎年花を咲かせなければ」という気負い。
人はお花を愛でるあまり
自らのエゴを押し付けてしまう。
健やかに循環する生命をそのまま愛でることができれば
人と植物はもっと健やかでいられるだろうと思っています。