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消毒とは

いつまでも暑い日が続きます。

皆さまお元気でお過ごしでしょうか。

久しぶりの更新になります。

さて、今回の主張は

「お庭の『消毒』とは何か?」という話です。

お客様から

「うちの庭は年に4回消毒に来てもらっています」

というお話を伺うことがあるのですが、

色々と疑問に思う部分があります。

そもそも消毒とはなんでしょう。

goo辞書でささっと調べると

[名](スル)薬品・熱・紫外線などによって、病原菌を殺すこと。「食器を―する」

と書いてあります。

たぶん、年に4回庭に殺菌剤を散布している業者は少ないと思います。

大した意味もないでしょうし。

よく耳にする業者様は、

殺虫剤を散布することを『消毒』と説明されているようです。

では

虫は「毒」なのか。

チャドクガやイラガ、ハチなどの毒をもつ虫は確かに発生します。

放置されたお庭でその発生が多くなるようです。

注意すべきです。

状況によっては著しく樹木の美観を損ねる場合もあります。

場合もある、というだけで

必ずしも、「薬を撒かなければ庭は虫の巣窟になり、

しかも木が枯れてしまう」

とは限りません。

庭木に用いる樹種は強健なものがほとんどですから、

葉を少々食べられても枯れることはあまりありません。

(健全な幹に穿孔するものもありますが、それはまた別の機会に)

樹木医の考え方では

薬を使って虫を殺すのは、限定的な使い方をするのが好ましい、とされています。

使うものも農薬ですし、安易に用いるものではありません。

不快害虫や、著しく樹木の美観を損ねる場合に、

ターゲットの虫や、病原菌に対して狙いをつけて

薬剤散布するということです。

庭には庭の生態系があります。

定期的に(ターゲットの虫がいるかいないかもわからないのに)

薬によって虫たちを全滅させる

ことに、疑問を持たざるをえません。

写真はトビモンオオエダシャクというシャクガ科の幼虫です。

実に上手に枝に擬態しています。

素直に、かわいらしい生き物だな。と思ってしまいます。

樹木医の同期にも、コイツが好きだという変わった方がいます。

虫たちも、しっかり『生きています』

個体密度が高すぎれば、問題が起こることもあるようですが

一匹が食べる量なんて知れていますし、放っておいても問題ないでしょう。

木の健康にも支障はないし

美観的にもあまり気にはならないでしょう。

虫が大発生するという場合は

「なぜ大発生に至ったのか」を考えることが大事です。

問題の木の健康状態、周囲の環境はどうか

剪定などの手入れは適切か。

みるべき場所はたくさんあります。

消毒なんて聞こえのいいフレーズを用るので抵抗感が薄れてしまっていませんか。

虫を無差別に殺す薬を庭じゅうに噴霧する

ということについてもっとよく考えたほうがいいと私は考えています。

こんなことを書くと、自分自身が仕事しづらくなります。

何も考えずに庭全体に定期的に農薬を散布すれば効率よく仕事ができるでしょう、

もしかしたら

他の業者様に嫌われてしまうかもしれません。

偉そうに語っておきながら、・・・私の葛藤は続きそうです。

信念を持つって大変なことです

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