清武の大クス
推定樹齢890年 幹周1280cm 樹高15m
宮崎市清武町の船引神社にあるクスノキです。
先輩の樹木医が治療経過中の巨樹です。
近所なので見に行きました。
治療の経過も聞いております。
一度樹勢の衰退が見られたため、土壌改良や木道の設置などが行われたようです。
現在は太枝の途中や幹から若い枝が無数に出ているので、生きようとする力が感じられます。
回復の傾向が見られるが、楽観視はできないという状況です。
巨樹はやはり、ものすごい存在感です。
圧倒されます。
この樹は少し怖い感じがします。・・・きっと気のせいです。
地上部の一番地際で、根ががっしりと地面をとらえているのが見える場所を
「根張り」と表現します。
この「圧倒的な根張りの躍動感」が巨樹の見所です。
動いているようには見えないのに、躍動感を感じます。
(細かいことを言うと、生きている限り生長しているので非常にゆっくり動いている)
この木の内部は完全に空洞で、この写真の角度から向こう側が透けて見えます。
生きた部分と死んだ部分が混在していて、
まさに生命のダイナミクスが音もなく表れています。
推定樹齢890年という樹木はどのような景色を見てきたのでしょうか、
80年程度しか生きるこのができないヒトには想像するのも難しいです。
今日も木のことを考え
木の仕事をし
明日も木のことを考えます。間違いなく
ヒトなりに木のことを知っていきたいと・・・
なんとなく考えています。