私を呼びましたか?
「私がナニカに呼ばれたのでしょうか」
最近そう考えるようになってきました。
写真①
こちらのお宅は、7~8年ほど前に庭木の剪定をされたきりで
ずっとお手入れがされていなかったようです。
しかもその時の剪定(剪定と言ってよいのかしら?)は大枝をを途中からブツ切りにするというもの。
ご依頼主は
「父の法事がある。この木を全部切ってもいいから、さっぱりさせたい。どうしたらいいでしょうか。」
とのことでした。
困っているところに私のお得意様からの紹介があったようです。
お伺いすると、
亡くなったお父様が木とお庭が好きで凝ってらっしゃたそうです。
写真②
住宅地のど真ん中にありながら、石段を上るアプローチ。
お家が直接見えないようにカーブになっているところが粋な演出ですね。
実は庭園灯や灯篭が隠れていたりして、お父様はお庭が好きだったことがわかります。
写真③
素敵ですね。木に風格が出ています。
私が、「この風格はなかなか出ませんよ、もったいないと思います」
というと、ご本人様もこの森の雰囲気は気にいってらっしゃるようでした。
私の方針をお伝えしました
・数本伐採するが、木は残す
・透かし剪定を行い、すっきりとさせる
・防犯のために、お家がチラチラ見えるくらいにする。
・今後のメンテナンスがしやすい状態をつくる
さて、希望にかなう施工ができたのでしょうか
写真①施工後
隠れていた灯篭が見えてきました。別の場所みたいですが写真①の場所です。
お隣が透けて見えたほうが防犯上もよろしいかと思います。
適度な日よけと風よけ、目線隠しの機能を発揮できるでしょう。
写真②施工後
木陰のひっそりとした感じをのこしつつ、爽やかに風が通るアプローチに
写真③施工後
外からみた感じです。
うちの凝り症の職人さんが映り込んでいます。
凝り性なので、「おっけー、施工完了です」
といってもなかなか手を止めません(笑)
施工が終わって
お施主さんには大変喜んでいただけました。
というか驚いてくださいました。
ご近所さんも。
さて、亡くなったお父様は喜んでくれるでしょうか。
それは誰にも分りませんが
喜んでいただけたら嬉しい限りですね。
実は数社に見積もりをお願いしていたようで
私は他の業者よりもお見積り金額はかなり高めでした。
他の業者様は、全ての木を伐採するお見積り。
私は木をすべて伐採するわけではないのに、安いわけではない。
それでも最終的には弊社にご依頼いただけました。
「お気に入りの木々が伐採されないように、お父様が私を呼んだのかな」
とか思ってしまいます。
もちろん、ご依頼主が私を呼んでくださっているのですが、
数ある職人のうち、私がそこで仕事をするということは
対象となる木や、それにかかわるナニカが私を呼んだのだと・・・思ってしまう時があります。
これからも精進いたします。